藤﨑 忍
39歳の専業主婦から社長へ。 ドムドムハンバーガーを回復に導いた 「思いやり経営」と「常識にとらわれない独自性」

藤﨑 忍

FUJISAKI SHINOBU
専属講師
肩書
株式会社ドムドムフードサービス 代表取締役社長
株式会社WOWOW取締役 監査等委員、カルチュア・エンタテインメントグループ株式会社社外取締役、ぷらっとホーム株式会社社外取締役
動画メッセージ
特別インタビュー
40歳まで主婦、渋谷109、居酒屋での経験を経て、ドムドムハンバーガーを復活に導いた藤﨑忍が、大切にする“思いやり経営”、”こだわらない心“をお届けする
Introduction
39歳で初就職、就業経験ゼロの専業主婦から渋谷109のアパレルショップ店長、居酒屋のオーナーを経て、51歳でドムドムハンバーガーの代表取締役社長に。メディアからの引き合いが絶えない経営者・藤﨑忍さんが講演活動にかける想いとは。
専業主婦から社長へ 挑戦のヒストリー
有難いことに毎年40講演ほどお声がけいただき、のべ講演数は120回を越えました。お話させていただくことの多いテーマは、「業績低迷が続く老舗企業をいかにしてV字回復させたか」、そして「異色と言われる私自身のキャリア」についてです。

長年、専業主婦をしてきた私が夫の病をきっかけに初就職したのは39歳のときでした。SHIBUYA109の店長になり、親子ほど年齢の離れた若いスタッフたちと一緒にディスプレイや接客などの創意工夫を重ね、店長4年目で就任1年目の倍にあたる年商2億円に到達しました。坪単価の激しい109ショップの中で業績トップ10入りを果たしたこともあります。その後44歳の時に開業した居酒屋の成功に目をとめていただき、51歳でドムドムフードサービスに入社しました。2018年から代表取締役社長を務めております。

ドムドムフードサービスは、大型ハンバーガーチェーンとしては日本最古の歴史を持つドムドムハンバーガーを運営する企業です。かつては400店舗を展開するほどの勢いがありましたが、私が入社した時には赤字が続き、最盛期の10分の1以下まで店舗数も減少していました。

そんなドムドムの黒字化に成功し、業績を回復することができたのは、常識にとらわれない商品開発、アパレルなどとのコラボレーションをはじめとした「独自性の模索」、「こだわらない心」などの大切にしているコアコンセプトがお客様、スタッフの皆さんにご理解をいただいことが大きいところです。
その結果、日経ウーマン・オブ・ザ・イヤー2022思いやり経営賞、テレビ東京ガイアの夜明けをはじめ、さまざまなメディアで取り上げられるほどになりました。

現在、私のこの経歴や経験に興味を持っていただいた企業や官公庁、地方自治体、青年会議所や商工会議所、業界団体などからお声がけいただき、さまざまな場所で講演をしています。近年では大学からのお声がけも多く、女子大生向けに女性のキャリアについて講演をしたり、マーケティングを学ぶ特別授業の一環として学生と一緒にコラボバーガーをつくって宣伝活動を行ったりしたこともあります。
大切にしてきた「顧客視点」が強みに
私は現在、ドムドムフードサービスの代表取締役社長に加え、株式会社WOWOWの取締役 監査等委員、カルチュア・エンタテインメント グループ株式会社の社外取締役、ぷらっとホーム株式会社の社外取締役を務めております。

それぞれ業種が異なる企業。なぜ私にお声がけいただけるのか不思議に思い尋ねてみると、私に期待されていたのは「顧客視点」でした。思い返せば109ショップ店長時代、居酒屋オーナー時代、そして現在も、現場に立ち、徹底的に「お客様の目線」で考えることを大切にしてきました。社外取締役を務める『ぷらっとホーム株式会社』はIT企業で、私にとってまったく馴染みのない業界です。しかし、同社の代表は「ITを活用するのも、IT機器を購入するのも、“人”。人の心理がわかっている藤﨑さんに社外取締役を務めてほしい」とおっしゃってくださいました。私自身も学びながら、できることを精一杯やらせていただいております。講演活動においても、たとえ業種や分野が違っていてもお伝えできることがあると感じています。

聴講者・主催者ファーストの講演スタイル
講演活動で大切にしているのは「一期一会」の精神です。会場で講演を聴いてくださるみなさんとお目にかかれるのは、またとない機会。私自身も、みなさんから学びたいという気持ちで壇上に立っています。

私自身が心配性な性格というのも
ありますが、講演が少しでも
有意義な場になるように
入念な準備をします。

私自身が心配性な性格というのもありますが、講演が少しでも有意義な場になるように入念な準備をします。講演のテーマや聴いてくださる方の属性、主催者からのオファーに合わせて台本を準備。先日、著名な方々と一緒にパネルディスカッションをさせていただいた時も、ぎっしりとメモが書きこまれた原稿をギリギリまで見ていたため、登壇者の方々を驚せたほどでした。
一人での登壇の際は、台本の一枚一枚に時間配分を記載しています。イベントや講演は、多くの方の時間を頂戴するものです。会を運営される方々の大変さもよく知っています。ビジネスの世界では顧客目線を大切にしてきた私ですが、講演においても聴講者や主催者を一番に考え、心を尽くして挑むのがモットーです。
今を一生懸命に生きる人たちに伝えたいこと
最後に講演活動でよくお話することを、いくつかお伝えさせていただければと思います。

一つは「女性の活躍」について私が日頃思っていることです。
代表取締役社長として仕事をしていると、「すごく活躍されていますね」「まさに女性の活躍ですね」とおっしゃっていただくことがあります。ただ私は、その声がけにちょっと違和感があるのです。

私自身は専業主婦として夫や子どもを支えていた時代も、夫が病気になり介護をしていた時代も、たしかに“活躍”していました。会社で仕事をしていなかったり、役職についていなかったとしても、活躍していないわけではありません。その社会の見方が女性を委縮させ、「管理職を目指さなきゃいけないんだったら、私には無理だ」と思わせている側面もある気がします。「どんなポジションでも、みんな活躍しているんだよ」「今のままで大丈夫だよ」と私はみなさんにエールを送りたいです。

また変化が大きく、多様な選択肢がある時代だからこそ、理想と現実のギャップに悩んだり、これからのキャリアをどう描いていくかを迷ったりしている方もいらっしゃるでしょう。悩んだときには、目の前のことを一つひとつクリアしていく感覚を持つことをお勧めしています。

私自身、「○○年に代表取締役社長になる」などと決めていたわけではありません。好きな仕事がしたいとか、理想のキャリアを歩みたいと考えたことは実は一度もないんです。与えられた役割や環境で、目の前にある仕事に夢中になっていただけ。その姿勢が結果的には自分自身の幸せにもつながった気がしています。

そして大切なのは、自分の中に壁をつくらないこと。こうあらねばならない、自分にはできないなどと決めつけていたら、もったいないです。専業主婦が店長や社長なんてできないともしも考えていたら、今の私はありませんから。壁をつくらず、こだわりすぎず、いい流れに乗って、やりたいと思ったことをやってみましょう。失敗したら、また違うやり方で挑戦すればいい。可能性は無限に広がっていることを忘れないでください。

[取材・文/猪俣奈央子 写真/梅沢香織]
[ノビテクスタッフからのメッセージ]
2026年にドムドムフードサービスをMBO(マネジメント・バイアウト)されたことからも、社員スタッフ、お客様、そしてドムドムを心から大切にされる藤﨑さんの思いが伝わってきます。藤﨑さんのユニークなキャリアはもちろんのこと、ドムドムハンバーガーを復活に導き、今なお成長に向かって牽引するブランディング、商品開発、社内改革、人材育成のお話は多くのビジネスパーソンにお聞きいただきたいです。
講演テーマ
「予測不能な時代のハンバーガー屋。美味しいこと。楽しいこと。 ~新生ドムドムの逆襲~」
「元専業主婦の社長が率いるドムドムバーガーの再生戦略」
「危機から脱出!元専業主婦の経営戦略とは?~絶滅危惧種ハンバーガーチェーン ドムドム復活のストーリー~」
「”絶滅危惧種”がコロナ禍で黒字化へ! 39歳まで主婦だった私の『思いやり経営』」
「藤崎流 ”関係力” -成功に導く対人の心得-」
プロフィール

青山学院女子短期大学卒業後 21歳で結婚。主婦として子育てなどに奔走していたが、39歳の時に夫が病に倒れ、商業施設「渋谷109」、株式会社ブティックヤマトヤ「MANA」店長に。人生初の就職であったが若いスタッフと共に働き新しい価値観を見出す。その結果年商を倍に躍進させる。5年間働いた後、退職し、居酒屋アルバイトを経て 2011年から東京・新橋に家庭料理の店「そらき」を開店し、翌年には2軒目「SoRa-ki:T」を出店。2017年に再生事業を行う㈱レンブラントインベストメント入社。併せて㈱ドムドムフードサービス出向。ドムドムハンバーガーの新商品開発担当、新店店長、東日本地区スーパーバイザーを務め、2018年8月に㈱ドムドムフードサービス代表取締役社長に就任し、現在は、式会社WOWOW取締役 監査等委員、カルチュア・エンタテインメントグループ株式会社社外取締役、ぷらっとホーム株式会社社外取締役も担っている。
日経ウーマン ウーマンオブザイヤー2022(日経BP社主催 内閣府後援)、「思いやり経営賞」受賞(2021/11/27)

参加者の声
  • 専業主婦から異⾊のキャリアを歩んできた藤﨑社⻑の情熱と現場主義に強く胸を打たれました。特に、数字 や規模の拡⼤だけを追うのではなく「社員を守り、お客様に愛されること」を最優先にし、MBO まで断⾏ された決断⼒には深い感銘を受けました。⾃分の限界を勝⼿に決めず、⽬の前の⼀歩に⼼を尽くす重要性を 学びました。ビジネスのノウハウ以上に、これからの時代に必要な温かい「⼈の巻き込み⽅」と⽣き⽅を教 わった感動的な講義でした。
  • お話を聞いてみたいと思っていた方なので、お聞きすることができて、よかったで す。写真も見せていただいたことで、より伝わってくることがあるように思いました。 そらきへも、行ってみたいと思いました!
  • 今後の生き方の参考になりました。ありがとうございました。
  • 心の持ちようが素晴らしく、目の前の課題を1歩1歩進まれ着実にステージを上げて行く。大変なこともおありだったはずなのに、難しいことじゃないよ、目の前のこと を一生懸命するだけと話されていたのが印象的でした。自分のこと、人のこと、未来 のことを考えすぎずに踏み出していこうと思いました。
  • 目の前の事にどんどんチャレンジしていこうと勇気がでました。ありがとうござい ます。
その他の参加者の声はこちら
  • 先月仕事を辞めて専業主婦である今、誰に言われたわけでもないのですがなんとな く肩身の狭い思いをしていたところ、主婦も仕事をしている人も線を引く必要はない とおっしゃっていただき、少し胸をはれる感覚になりました。今日から、いや今から 目の前のことをちゃんとやっていこうと思います。そこから何につながるか、と思っ たら日々のことを楽しく頑張れそうです。ありがとうございました。
  • 経営者のお話と言うと、どこか雲の上の話のように想像していましたが、今日お話 を聞いて、目の前のことを一生懸命に興味を持ってやって来られた姿勢に、生き方の 姿勢を学びました。ありがとうございました。
講演実績

アマゾンジャパン合同会社/味の素冷凍食品株式会社/NEC株式会社/株式会社NTTデータビジネスシステムズ/株式会社オリエンタルランド/株式会社かんぽ生命保険/株式会社静岡銀行/株式会社小学館/株式会社商工組合中央金庫/株式会社東洋経済新報社/株式会社ブリヂストン/コクヨ株式会社/武田薬品工業株式会社/日本テレビ放送網株式会社/日本政策金融公庫
※その他、地方公共団体、全国の商工会議所など、多くのご講演機会をいただいております。

書籍
  • ドムドムの逆襲 39歳まで主婦だった私の「思いやり」経営戦略

    (ダイヤモンド社)単行本 – 2021
  • 藤﨑流 関係力

    (リピックブック)単行本 – 2021
音声コンテンツ

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